国民にかかった医療費の負担を軽減してくれる国の制度として、まず挙げられるのが「公的医療保険」だ。
会社員と扶養家族が対象の「健康保険」、船員とその扶養家族が対象の「船員保険」、公務員と扶養家族が対象の「共済保険」がある。
そして、75歳未満で前述のいずれにも加入していない人向けの「国民健康保険」、75歳以上もしくは65歳以上75歳未満で障害がある人向けの「後期高齢者医療制度」だ。
医療費に対して、自己負担分以外の費用が公的医療保険から支払われる。
また、自己負担額が一定の金額を超えると超過分が支給される「高額療養費制度」もある。
一世帯内で同じ医療保険に加入している場合、8月からの1年間でかかった医療保険・介護保険の自己負担額の合計が基準を超えるケースも出てくるだろう。
その際には、「高額医療・高額介護合算療養費制度」として超過分が支給されるのだ。
1月1日から1年間のうちに医療費の自己負担が一定額を超えると、「医療費控除」として税金が還付される。
所得額に医療費控除が反映され、翌年の住民税が安くなるメリットもあるため、住居地域の税務署で申告を行うと良い。
3つ目は、原因や症状など状況に応じて受けられる公的制度だ。
アスベストによる被害は労働者災害補償保険の対象で、障害者手帳の等級や種類によってさまざまな医療費助成を受けられる。
そのほか、医薬品による副作用の被害に対して医療費などの給付を受けられる「医薬品副作用被害救済制度」や、経済的な理由で医療を受けられない人に対して「無料定額診療事業」もあるのだ。
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